「最後の医者は桜を見上げて君を想う」という小説を読了したので、あらすじや感想など簡単にまとめたいと思います。
興味のある方は読んでいってください!
作品紹介
今回読んだ本はこちらです。
タイトル | 最後の医者は桜を見上げて君を想う |
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作者 | 二宮敦人 さん |
出版社 | TO文庫 ※私はkindleで読みました。(kindleunlimitedの対象です。) |
ジャンル | 医療系小説 |
ページ数 | 375ページ ※kindle電子書籍版でのページ数のため単行本とズレる可能性があります。 |
知り合いの読書家に勧められて読みました。
医療系の小説なのですが、涙なしには読めない作品です。私も何度泣かされたことか…
あらすじ、私の感想などはこのブログにも記載しますが、作品自体が気になる方は以下からチェックしてみてください。
あらすじ
舞台は武蔵野七十字病院。
この病院の院長の息子であり副院長である福原と、その同期である桐子の二人が主人公となる小説です。
福原は患者の命を救うことに情熱を燃やし「自分の持つ外科技術でどんな難病でも救ってやる」という信念を持つ医者。
一方の桐子は「患者には死を選ぶ権利がある」という信念を持つ医者で、周りからは「死神」なんて呼ばれています。
同期といえど、真逆の信念を持った二人は病院内で対立しています。
そんな二人が勤める病院へ訪れる患者の中には、死と向き合わねばならない患者もいます。
リスクの高い手術が成功しなければ完治が難しい病気の患者、原因不明で治療法のない病気に罹った患者、進行の早い癌が見つかった患者。
病気に罹ったことで死と向き合わねばならなくなった患者たちと、主人公二人がどのように向き合っていくのかが描かれた作品です。
簡単読書感想文
昔から読書感想文は苦手なので、簡単に気楽に感想を書きます。
読みやすさ:★★★★☆
涙:★★★★★
医療系の用語がちらほら出てきますが、患者さんに向けてわかりやすく説明をする場面も多く、読み手にもわかりやすい作品でした。
3本立ての作品になっていて章ごとに読めるので、本を読むのが苦手な人でも比較的読みやすい作品かなと思いました。
ただ、どの章も涙なしには読めないので、電車など外で気軽に読めないなあと個人的に思いました。(笑)
「死との向き合い方」がテーマの作品なので、各章では患者の闘病から死までが描かれています。
それぞれの患者に家族がいて立場があるので、死を受け入れるまでに様々な葛藤があります。
葛藤する患者に対して
「どんな病気だろうと奇跡を起こすために最後まで闘う」と言う福原。
「死を受け入れて、残りの生をどう生きるか考えるべき」と言う桐子。
医者たちの言葉を受けて、どのように病気と闘うのか、死を受け入れるのか。
患者の葛藤や選択を読み進めながら追っていけるのが、この作品の魅力かなと思います。
「難病に侵された患者を、神の手を持つ医者が救った」というドラマや実話に勇気や希望をもらうこともありますが、世の中すべてのことに奇跡が起きるわけではないです。
このお話は「奇跡が起きないこと」にフォーカスをあてた作品だなと思いました。
奇跡的に回復する人がいる一方で多くの人が亡くなる医療という現場を描いた作品なので、「死との向き合い方」というテーマをより一層考えさせられるのだなあと感じました。
最後に
私は両親共に元気で、親戚も今のところ死と直面するような病気は罹っていません。
「死」というモノからはまだ少し遠い世界にいます。
ですが、生きていれば絶対に避けられないモノなので、いつかは私の周りにも訪れます。
それが明日なのか、明後日なのか、数年後なのかはわかりませんが、突然やってくることもあります。
遠い世界にいるので、あまり考えてこなかったですが、この作品を読んで家族や友人との時間を大事にしていこうと思いました。
今あるものがずっとあることはありません。
今は今しかない時間なので、日常を大事にしていきたいと思わせてくれた作品でした。
シリーズものなので続きもあるみたいです。
紹介してくれた読書家の知り合い曰く「3番目の作品が一番泣く」とのことなので続きも読んでいきたいなと思います。
また、この作品は漫画にもなっておりますので、本が苦手な方は漫画で是非。
私は漫画も読んで漫画でも泣きました。
普段はあとがきを書かないという原作者の二宮先生のあとがきが、漫画に乗っているので、本を読んだことがある方でも必見です!
漫画作品の詳細も以下に乗せておきます。